どんな動きができるかな？⑧　出し入れする

おもちゃ：クアトリノ（セレクタ社）

取り出すという行為で遊び始めてしばらくたっと、 「入れること」「入ること」の面白さにも気付き始めます。何にもない⇔ いっぱいある／空になる⇔いっぱいになる。目をキラキラさせて、ひたすら出し入れを繰り返す遊びは、「自分が行動した結果が自らの目で確かめられる」という大事な力を使うからこそ、満足感や自信を引き出しています。全部出しでなくなったのに、入れたらまた出すものがある。

あまりに当たり前のことですが子どもはマジックのような不思議な出来事として出会うのですね。もう一つのマジックは「中に入れてしまうと、手に持っていたものが(見え)なくなる」ということ。なくなったはずなのに、手を入れて、つかんで、引き上げると……見て見て！ほら！あった！何とも誇らしげな視線や満足げな表情に、豊かな遊びは心を育てるのだと再確認させられます。出し入れのマジックに、驚き→繰り返し→確信し→面白がる……このような子ども時代の時間は宝物。たっぷり持たせてあげたいですね。

筆：宍戸信子
出典：『ネオネイタルケア　2014年8月号　
"どんな動きができるかな？　赤ちゃんの感覚を伸ばすドキドキおもちゃ"』　より