どんな動きができるかな?⑥ 投げる

おもちゃ:クローストイ・ワンダーダイス(ハバ社)

「何でも投げる」という時期は誰にでもあります。ひやひやはらはらさせられ、思わず「ダメ!」と声も出ますが、今一度子どもの投げる様子を冷静に見てみましょう。

まず目の前にあるもの目指して手を伸ばし、しっかりとそれをつかんでいます。「見て判断して手を動かす」という、目と手の力をつなげた複雑な行動です。次にそれを手放すのですが、その時、腕を動かしながら放すと、つかんでいたものがなぜか飛んでいきます。つかむ→腕を動かして手放す=投げる、なのですね。この不思議さ・面白さが分かると、繰り返したくなるこの繰り返しは大事な育ちの行為であり、まさしく学習です。好奇心や探究心が子どもの主体的な行動を生みますが、投げるという行為はその中でも、力いっぱい行えるダイナミックで魅力的な動きであることには違いありません。

とはいえ、 ルールを伝えることも大事な大人の仕事。投げられる喜びに共感し投げていいもの・いい場所で、おとなも一緒にたっぷりと遊ぶと同時に、投げてはいけない場面では、きちんと気長に丁寧に付き合ってあげてください。


転がってきたおもちゃを
「はい、どうぞ」
と返してあげる優しいお姉ちゃん。

筆:宍戸信子
出典:『ネオネイタルケア 2014年6月号 
"どんな動きができるかな? 赤ちゃんの感覚を伸ばすドキドキおもちゃ"』 より