どんな動きができるかな?⑩ 合わせる「絵」

おもちゃ:ピクチャーチェーン(セレクタ社)

カードは合っているのに何かへン……そんな声が聞こえてきそうな絵カード、実は一つの絵が2枚に分かれています。手の感覚ではカードはピタッと合っているのに、絵は合ってない、と気付けば、カードではなく、そこに描かれている「絵」に関心が及んだことになります。「モノ」という立体物ではなく、「絵」という抽象表現が、遊びの中に入ってくる瞬間です。

パズルには2種類の要素、立体=3次元と、絵=2次元とがあります。このパズルでは、手で「持って, カードの形を合わせて置いて、絵をよく見て、90° 回す」を繰り返し、やがて絵が出来上がる置き方を見つけます。そして、「りんごになった」「りんごができた」「りんごが描けた」などと言い始めます。厚みのある木製カードそのものの形を手で確認し、今度は目で描かれた絵にも意識を向けて絵合わせをする……。子どもは手を使ってモノ=具体物を操作しながら、だんだんと「抽象」に出会います。




筆:宍戸信子
出典:『ネオネイタルケア 2014年10月号 
"どんな動きができるかな? 赤ちゃんの感覚を伸ばすドキドキおもちゃ"』 より