わくわくおもちゃ⑤ どんな形?どんな味? -木製ラトル②

4月号で、私たちは「手」で物に出合うと書きましたが、実は、赤ちゃんには手よりも信頼できる部位があります。それは「口」です。手にしたものはまず口に入れる、これが赤ちゃんの姿です。曲線や直線・突起や穴・つるつる感やざらざら感など、唇や舌からの感覚を通して、モノを“見て・触って”そして“理解”しています。赤ちゃんが口に入れることは、私たちがモノを目で見て触って判断するのと同じ行為なのです。

リング Schaaf社
カレロ Selecta社
あむあむ。


ラトルとは ”がらがら” といわれるおもちゃです。大きさ・重さ・仕組みによって楽しみ方が違います。「リング」はたった15g、まだつかめなくても指に引っ掛けて持たせることもできる、軽くて優しい音のするラトル。逆に「カレロ」は高さ10cm、6色の球が付いた円盤がくるくる回り、存在感たっぷり。しっかり握って持つと、まるでソフトクリームのようです。木製ラトルは、口唇にも手にも独特の温かみを伝え、適度な重さと心地いい音を生み出し、赤ちゃんの五感を多様に楽しませる、成長に欠かせない大事なおもちゃです。

筆:宍戸信子
出典:『ネオネイタルケア 5月号 
"おかあさんにすすめたい 赤ちゃんの発達を促すわくわくおもちゃ"』 より