わくわくおもちゃ⑩ あっ、消えた…あっ、あった!

穴があると、不思議とのぞきたくなったり指や物を入れたくなる…人間の好奇心のなせる業、この好奇心と行動力があるからこそ、人間は「考える」ことを始めたのですものね。

このパロというおもちゃ。はじめ、赤ちゃんは穴の上にのっかっている球が気になってつかもうとしますが、上手につかめず力だけがかかってポトンと落ちることがあります。「あれ?なくなった!」と思った矢先、ころころころっと箱の中から出てきます。そばにいる大人が穴の上にもう一度置いてやると、また取ろうとして⇒またなくなる⇒そして出てくる……この球が、さっきの球と同じものだと、いつ気が付くのでしょう?はじめのうちは、その因果関係には気づいていません。「何度やっても同じ結果」を重ねるうちに、予想⇒期待⇒予測通りの結果に満足する。この繰り返しこそが、自分の力を信じる原動力になります。パロは、何度も何度も繰り返すことで、見えなくなっても無くなるのではない、ということに気づかせてくれます。このように、子ども自身の力を使って遊び込めるおもちゃが、子どもの好奇心と自信、そしてさまざまな能力を引き出すのです。

色あわせでも遊べるんだよ~  赤いマルには、赤い玉を置いて…
これはどっちかなぁ?
出来たよ!!

筆:宍戸信子
出典:『ネオネイタルケア 2013年10月号 
"おかあさんにすすめたい 赤ちゃんの発達を促すわくわくおもちゃ"』 より