どんな動きができるかな?⑤ つかむ
おもちゃ:NAナチュラルベビー(ナンヒェン社)
本来、人形は「つかむ」ものではなく「抱く」ものです。でも、子どもの様子を見ていると、まず「つかむ」動作から始まるということを実感します。
バギーから人形をつかんで引っ張り出す動作は、一見乱暴に見えます。腕ならまだしも、顔や足をつかんでいると、「人形が痛いって言っているよ」と声を掛けたくなります。でも、ちゃんと抱けるようになるには、 まず「しっかりとつかむ」という動作、そして「つかみ続ける」力が必要です。ですから、人形がつかみやすい大きさ・重さ・硬さ・素材であるかどうかは大事なことです。
子どもの力は決して弱いわけではありません。ご経験があるでしょうが、赤ちゃんにつかまれるとかなり痛いものです。初めの「0:100 =つかまない:MAXの力でっかむ」という力配分が、成長とともに徐々に加減できるようになり、そっとつかむ、人形が痛くないようにつかむ……など、つかみ方にも遊びを通じてバリエーションが生まれます。また、手指でつかむだけでなく、腕と胸で落ちないようにつかもうとし始めると、これが「抱く」という動作になっていきます。つかんだり抱いたりするのにふさわしい素材の人形を、ぜひ用意してあげてください。
筆:宍戸信子
出典:『ネオネイタルケア 2014年5月号
"どんな動きができるかな? 赤ちゃんの感覚を伸ばすドキドキおもちゃ"』 より